賑やかな教室に、更にうるさい人物が入り込んできた。 「おっはよー。相変わらず無駄なアタックしてんのね。」 「緑青、てめぇ…俺とトキの深〜い絆を無駄とか言うんじゃねぇ!!」 「本当の事でしょ。」 「(カッチーーン)上等だ、表に出ろぉ!!!」 THE単細胞の篤は今にも掴み掛かりそうな勢いで怒声を発した。 まるでコントを見ている気分だ。 しかし周りにいるクラスメイトは普通に話したり、寝たり、恐ろしいことに勉強をしていたりする。 まあ…仕方の無いことだ。 この馬鹿騒ぎは毎朝繰り広げられているのだから。 嫌でも慣れはするだろう。 もはや日課だ。 中にはこれを見て一日の始まりを感じる者さえいるという。 「ふふふ…アンタじゃ私に勝てるわけないでしょ?」 「うっ。」 「ったく…朝っぱらからウザすぎ………あれ?凛たちまだ来ていないの?」 「……まだじゃねぇの。」 朝っぱらから活気溢れる少女、緑青朱音は自分の親友がまだ来ていないことに気がついた。 その頃、校門近くの道路では凄まじい速さで走っている生徒が2名ほど。 あと1分で着席のチャイムが鳴ってしまう。 イコール 遅刻候補者(可能性大) 「凛!!早くしねえとチャイム鳴っちまうぞ!!」 「ま…待ってよ凉ちゃ〜〜〜ん………っと、うわぁ!!」 ドッテーーーン、と鈍い音が悲鳴に先を走っていた少年―凉―は後方に振り返る。 そこには硬いコンクリートに付している少女―凛―の姿が。 障害物になるような物は確認できず、それは何も無い所で転んだという証になった。 「うわぁーーまた転んだのかよ!!?大丈夫か!?歩けるか!?」 「アハハ…またやっちゃったよ。でも全然痛くないから大丈夫!」 「ででででも、足がっ…凛の足が…」 「早く教室に「馬鹿!!行くのは保健室だろ!保健室に決まってるだろ!」 「え?でも遅刻しちゃうからいいよ。」 「んなことより、凛の綺麗な足に傷が残るほうが問題だ!」 そう言って彼等は―といっても凉の独断だが―保健室に直行した。 そして遅刻者リストにでかでかと名前が載せられたということは言うまでもない。 next 作:ハネ子 ブラウザのバックでお戻りください |